その7:ホーン譜作成の予備知識(2)〜音域
管楽器の前提知識、第2段として、ここではトランペット、 トロンボーン、サックスの音域について論じる。 サックスの部分の解説は、ほとんど投稿者に占領されてしまった(苦笑)。
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トランペットとトロンボーンは、ちょうど管の長さが 1:2 なので、 原則的には音域もちょうど 1オクターブ違っている。 そこで、ここでは両楽器をひとまとめにして説明する。
トランペット
に関する知識の少ない人がトランペットの楽譜を書くとき、
とりあえずこの図の音域の範囲で楽譜を書くと無難であると思う。
便宜上、この図の音域を
Bb3 - Bb5
と書く。
クラシック系奏者は、ト音記号 in Bb で楽譜を書くことが多い。
ジャズ系奏者は、ト音記号 in C で楽譜を書くことが多い。
トロンボーン
に関する知識の少ない人がトロンボーンの楽譜を書くとき、
とりあえずこの図の音域の範囲で楽譜を書くと無難であると思う。
便宜上、この図の音域を
Bb2 - Bb4
と書く。
クラシック系奏者は、へ音記号 in C で楽譜を書くことが多い。
ジャズ系奏者は、ト音記号 in C で楽譜を書くことが多い。
しかし、トランペット経験者でもある筆者は、
ト音記号 in Bb で書かれた楽譜が最も読みやすい、
とヒソカに思っていたりする。
金管楽器は唇の形を調節して音程を決める楽器なので、 唇の訓練によって音域を広げることができる。 また、唇の特性によって、高音の得意な人もいれば、低音の得意な人もいる。 実を言うと、プロの金管楽器奏者の音域(特に高音域)は、上記よりずっと広い。 正直なところ、金管楽器の高音域ほどプロとアマの差が歴然としている技術は、 珍しいんじゃないかと思う。
ホーンセクションの最大の華は、 なんといっても金管楽器のハイトーン だと思う。 特にコピーバンドをやっている場合、 プロの高音域をそのままコピーしなくちゃと思うのは当然のことである。 その意味では、アマチュアでも高音域の得意な金管楽器奏者は、 非常に重宝されるのである。 筆者が一緒にホーンセクションをやっているトランペットの ゆたさん は、ほぼ確実に D6 か Eb6 までの音域を使いこなす。 筆者はいままで、 こんなに高音を使いこなせるアマチュアトランペッターを見たことが無かったので、 彼にはじめて会ったときはホントに感激モノだった。 ちなみに筆者はトロンボーンで D5 くらいまでの音域を使っている。 しかし、そのヒット率は ゆたさん よりはるかに低い(とほほ)。
では、高音が苦手で低音が得意な金管楽器奏者は、 重宝されることがあるのだろうか? 少なくとも、トロンボーン奏者にはその機会がある。 上記音域の最低音 Bb2 より低い音域(Bb1 - Bb2 あたり)で、 ベース音をバリバリと力強く鳴らすことが要求される曲が時々ある。 トロンボーン奏者の中には、「バストロンボーン」 という低音域向けの楽器を使って、この「ベース音をバリバリと鳴らす」 ことを生きがいとしている人も多い のである。
トランペットの低音域は、クラシック音楽では重宝される機会が多いが、 残念ながらホーンセクションの世界では重宝されにくい。 では低音に命をかけるトランペッターは、 ポピュラー音楽ではどのように目立てばいいのだろうか? 筆者の意見としては、 低音の得意なトランペッターは、 フリューゲルホルンという柔らかい音色の出せる金管楽器を購入して、 バラード系の曲で落ち着いたフレーズを吹くことで活躍する のが適材適所なんじゃないかなぁ〜と思う。
筆者はサックスの経験がまったくない。 よって、以下の内容にはデタラメが混じっている可能性がある。 というわけで、サックス経験者のコメントを急募中。
ソプラノサックス の音域は、教科書では Ab3 - E6 であると書かれている。 クラシック系奏者は、ト音記号 in Bb で楽譜を書くことが多い。 ジャズ系奏者は、ト音記号 in C で楽譜を書くことが多い。
アルトサックス の音域は、教科書では Db3 - A5 であると書かれている。 クラシック系奏者は、ト音記号 in Eb で楽譜を書くことが多い。 ジャズ系奏者は、ト音記号 in C で楽譜を書くことが多い。
テナーサックス の音域は、教科書では Ab2 - E5 であると書かれている。 クラシック系奏者は、ト音記号 in Bb で楽譜を書くことが多い。 ジャズ系奏者は、ト音記号 in C で楽譜を書くことが多い。 ただし、テナーサックスの楽譜は、実音より1オクターブあげて 書かれるのが通例である。 つまり楽譜上では、ソプラノサックスとテナーサックスは、 同じ音域が用いられているように記述されている。
バリトンサックス の音域は、教科書では C2 - A4 であると書かれている。 クラシック系奏者は、ト音記号 in Eb で楽譜を書くことが多い。 ジャズ系奏者は、ト音記号 in C で楽譜を書くことが多い。 ただし、バリトンサックスの楽譜は、実音より1オクターブあげて 書かれるのが通例である。 つまり楽譜上では、バリトンサックスとアルトサックスは、 同じ音域が用いられているように記述されている。
教科書に書かれた上記の音域よりも高い音域として、 「フラジオ」と呼ばれる音域? 奏法? がある。 これは主にソロなどで聞かれる音域であり、 吠えるような力強さを特徴としていることが多い。 しかし反面、この音域の演奏は音量やフレージングの制御が難しい。 筆者は個人的には、 この音域はホーンセクションのアレンジには使わないことにしている。 この「フラジオ」の音域には、出しやすい音と出しにくい音があるらしい。 以前、吹奏楽の後輩にソロのフレーズを考えて欲しいと頼まれたことがあって、 このようなリクエストをもらったことがある。
なお、筆者の知人がつくっている 「フラジオマップ」 が非常に充実しているので、ぜひ参照して欲しい。 あ、無断リンクだ(爆)。まあいいか(爆)。
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読者(サックス奏者)の意見:
現在使われているサックスの基本音階は、移動ドによる記譜で
読者(別のサックス奏者)の意見:
★ソプラノサックス★
★アルトサックス★
★テナーサックス★
★バリトンサックス★
筆者より:
読者(さらにサックス奏者)の意見:
ジャズ屋さんの演奏でソプラノでフラジオぶいぶいは確かにあまり聞きませんね。
でも、クラシックの最近の演奏では結構出てますよ。
須川展也(すがわのぶや)がやってるピアソラなんて、平気でG6が出てきます。
それも音量がpだったりすることも…
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読者(サックス奏者)の意見:
ホーンセクションの楽譜にフラジオ音域を使わないのは、正解です(^^;)。 音程面で他に迷惑がかかるかも知れないし、 第一他の楽器とアンサンブルするような音質ではなくなってしまいますから。 一般的には。 加えて言うなら、指遣いがもはやたて笛的ではなく、 音を移るときの指のアクションが多くなるのでスケールなどには向きません。 このへんは替え指がいっぱいあって、研究のしがいがある分野ですが、 私も言うほど替え指は開発してないです。 ソロのフラジオの件。 これはSAX吹き(Alto吹きだけ?)には共感出来る人が多い思います。 アルトについては持論では「フラジオはラが入門、ソが最難」だと思います。 (ここでいうドレミは移動ドです。「ラ」はアルトがC6 テナーがG5です) 「ラ」は初心者でもハプニングで出ることが多いですし、 「ラ」をうまく出せればその周辺の音はすぐにマスターできます。 しかし「ソ」だけは他人がとても教えることの出来ない、 口の中のコツを自分でつかみ取る必要があると経験上思います。 (感覚的には「脊髄の付け根のコツ」みたいな感じですかねー? :-))
読者(別のサックス奏者)の意見:
「アルトについては持論では『フラジオはラが入門、ソが最難』」とのことですが、
これも全てのサックスに言えると思います。
管の共鳴関係からか、一番出しやすいのが記譜で言う「ラ」のようです。
また、そこから上もある程度までは簡単に出ます。
ですが、「ソ」は本当に制御が難しく、よく裏返ってしまいます。
(人間の声でもそうですが、裏声との境目って使い分けが難しいですよね?
サックスの通常音域とフラジオの境目も同じような感じです。)
コツですけど、僕がつかんだ方法は
でした。口の中を広くしたり、シラブルを変えてみたり… いろいろやってたら、少しわかるようになってました。 でも、まだ完全にコントロールできてないのでよく失敗します。
筆者より:
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余談になるが、サックス奏者の中には、 複数の種類のサックスを持ち替えて使う人が多い。 この「持ち替え」にも、音楽ジャンルごとに異なった考え方が見られて興味深い。 吹奏楽関係の知人の中には、 ソプラノとアルト、アルトとテナー、テナーとバリトンというように、 音域の近い楽器を持ち替える人が多いように思う。 これは、音域の近い楽器ほどマウスピースなどの大きさも近いので、 持ち替えによる奏法や音色の変化が少ないことを重視しているのではないか、 という気がする。 一方、ジャズ系の知人の中には、 ソプラノとテナー、アルトとバリトンというように、 同じ調性の楽器を持ちかえる人が多いように思う。 これは、アドリブ等のときの音感を重視しているのではないか、 という気がする。 この傾向は筆者の周囲だけのものなのだろうか? もし反論があったら、ぜひ聞かせて欲しい。
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読者(サックス奏者)の意見:
持ち換えは「ソプラノとバリトン」以外の組み合わせはどれもよく見ますね。 これは一長一短的なところがあるのかも知れません。 例えばソプラノとテナーではオクターブ違いなので、 音感がごっちゃになりにくいという意味ではいいですが、 マウスピースの大きさの違いが大きいので、 持ち替えたときに唇の違和感は大きいですよね。 ソプラノとアルトだと違和感はテナーより少ないですが、 5度違うので音感が(^^;)・・・ でも複数の楽器を持つ場合そういうことはあまり考えず、やりたい音楽、 好きなミュージシャンの影響、という理由が大きいでしょうか。 持ち換えと言えば、私にとってはビッグバンドでよく見る 「サックス吹きはフルート吹きたれ!」があこがれでしたが、 センスのなさを感じ早々にあきらめました(;;)。
筆者より:
ところで、サックス吹きがフルートまで吹いちゃうと、 美味しいところを全部もっていかれちゃうような気がして、 日ごろ脚光を浴びることの少ないトロンボーン奏者としては妬ましい限りです(笑)。 |
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読者(サックス奏者)の意見:
サキソフォンに関する記述を拝見しました。 楽器の性能としてはその通りですが、 アンサンブルでは最低音近辺は特殊な場合を除き使いません。 (バリトン以外。バリトンは最低音まで要求されます) 上もその楽器のF#まで使うのは希でEbかEまででしょう。 勿論、ソロの場合は自由です。 ここで「アンサンブルでは」と言うのは、スプレッドの部分に関してです。 パーカッシブな動きや、ビッグバンドのサックスソリでは、 フラジオ以外は全部使います。 (勿論、ローインターバルリミットの範囲でと言うことですが) クラシックのアンサンブルは余りよく分かりません。 結構譜面にフラジオが出て来るようです。 フラジオに関してはソプラノが一番難しいでしょう。ただし、 ソロでは結構使います。ただ、 フラジオは音の出しやすい運指が必ずしも楽ではないので、 速いフレーズは厳しいですね。 アンブシュアは基本的に同じですから、一つの楽器をマスターすれば、 ソプラノとバリトンの持ち替えでも問題はありません。 マウスピースの大きさの違いは殆ど関係ないと思います。 クラシックの方は殆ど全てこなされてます。 サックスではオーバートーンの練習があります。 長6度上の音を出すものです。 フラジオでは上のシをオクターブキーを押したレの指使いで出します。 この辺の練習にはルソーの「サキソフォン奏者のための高音奏法」 と言う定番の教科書がありますので、 サックスの方は是非参考にして下さい。 でも、後ろのエチュードはとてつもないです。 (最後の方のはやろうとも思わない。できっこないから。)
筆者より:
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